上中中学校では令和4年度から個人探究の時間『My探究』を始めました。手探りで始めた昨年度の取組の反省に立ち、今年度はさらなる充実を目指して歩みを進めています。このページに1年間の歩みを記していきます。
かねてより『My探究』をサポートする教員の意見の中に「『My探究』の時間がパソコンとにらめっこする時間になっている」という指摘がありました。『自分の生き方を更新する』時間であるはずの『My探究』の時間が、パソコンとにらめっこして自身で完結するものであっては本末転倒です。
そこで、10/19を見学・取材の日と決め、見学や取材をしたい生徒はその日に校外へ出かけられるように段取りを組みました。また、取材・見学に行かない生徒は、異学年クロスセッションを開き、これまでの進捗状況や抱えている課題などを共有する時間を設けました。異学年クロスセッションでは、3年生がセッションをリードする姿も見られました。
本校では、すべての生徒が自身の興味・関心に基づいて人1テーマを設定し、それを1年かかけて探究していく『My探究』を行っています。探究開始から約半年が経過した今、教員たちはそのサポートをどうするのか、目指すべきゴールはどこなのか大いに悩んでいます。
そこで、福井大学『教員研修高度化事業』に参加し、校内研修に『研修コンシェルジュ』をお招きして、サポート研修会(お悩み相談会)を実施しました。
大学の先生、県教委の先生、実際に高校で探究をリードしている先生にコンシェルジュとしてご参加いただき、学校の中だけではできないまさに『高度な』研修となりました。
※4グループに分かれての議論の様子を記録としてまとめましたのでご覧ください。
4/26のMy探究ガイダンス(生徒向け)に引き続き、福井大学教職大学院の清川先生に教員向け研修会をしていただきました。
生徒の探究を教師としてどのようにサポートするかというテーマでレクチャーをお願いしましたが、具体的な支援策(いわゆるHow to)というよりはむしろ、なぜ今、探究的な学習が必要なのか、学校の存在意義な何かといった、ベースになる部分をわかりやすく伝えてくださいました。
本校の目指す生徒像を表すキーワードは、『自律・協働・創造』です。生徒にこうした力の伸長を求めると同時に、我々教職員も今回の研修会のような研鑽の機会を通じて、自らのあるいは教師集団としての『自律・協働・創造』の力を高めていきたいと思いました。
ゴールデンウィーク中に各自まとめたアイデア(疑問点や興味のある内容)を持ち寄り、『My探究』相談会を行いました。相談会には、担任だけでなく、校長・教頭・養護教諭を含めたほぼ全教職員が各クラスに入り、課題設定の相談役となりました。
今年度は、探究のゴールをSDGsの17のゴールのいずれかに関連付けることをミッションとして生徒に提示し、相談会でも自身のテーマがどのゴールに結びつくかについて、生徒に考えさせました。何気なく設定したテーマであっても、探究の道筋をイメージしていく中で、生徒も教師も、自ずと17のゴールのいずれかに関連づいてしまうことに気づかされました。
相談会では、教師との話し合いだけでなく、生徒同士の話し合いも行い、My探究の全体的な構想を『全体計画』としてワークシートにまとめました。
※ワークシートのフォーマットと、書き方の例を添付しましたのでご覧ください。
今年度のMy探究では、課題設定を大切にしようと教職員間で共通理解を図りました。昨年度の反省から、課題によってはインターネットで調べてすぐに答えが出て終わってしまったり、発展的な探究へとつながらなかったりするものがあったため、課題設定の大切さを重視する声が上がっていました。
問題はどのように生徒を支援するかです。本校の教職員組織は、若手・中堅・ベテランと年齢層は幅広く充実しています。一方で、探究や課題解決学習を指導・支援した経験は決して十分とはいえず、課題設定時にどのようなアドバイスをしたらよいのか、自信を持って生徒に応えられる教職員は限られていました。
そこで、課題設定時に生徒にどのような声掛けをすればよいのかをまとめた『サポートマニュアル』を作成し、教職員の支援の質の向上を図りました。
4/26のガイダンスを受け、今年のゴールデンウィークには、生徒たちに探究課題を模索するための宿題が出されました。ワークシートを添付しましたのでご覧ください。
探究課題探しの旅に出てくれることをひそかに期待していました。
今年度のMy探究は、全校集会でのガイダンスからスタートしました。初めに、担当教諭から上中中学校版『My探究』の説明を行いました。プレゼン資料を添付しましたのでご覧ください。
次に、スーパーバイザーとしてお招きした福井大学教職大学院の清川先生に60分間の講演(授業)をしていただきました。授業の前に、生徒たちにあらかじめ宿題が出されていました。それは、『世の中変わったなあ、すごい技術だなあ!』と思ったこと、『不思議だなあ、どうしてなんだろう?』と思ったことを、それぞれ1つずつ考えておくというものです。講演(授業)では、生徒たちの意見をもとに、探究学習の意義やテーマの見つけ方についてわかりやすく解説していただきました。途中、生徒同士(グループによっては教員も加わって)の意見交換の場もあり、探究をスタートするにあたっても貴重な動機付けの機会となりました。
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